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中国:海南省・試験的医療地区におけるリアルワールドエビデンスを用いた医薬品承認申請に関する優先的政策

概要

中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration/NMPA)は、医療機器の審査、承認制度の改革を推進する為に、リアルワールドエビデンス(RWE)データを用いることを積極的に推奨している。2019年6月に、中国のNMPAと海南省の政府は、共同で海南省における臨床的リアルワールドデータ申請のパイロットプロジェクトを立ち上げた。

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海南省のボアオ・レチェン国際医療パイロットゾーン(医療特区)では臨床的RWEデータを用いた承認申請が適用され、2020年3月26日、NMPAはこのパイロットゾーンで収集された臨床的RWEデータを用いた製品の販売申請が初めて承認された。これにより、中国における医療機器申請の新たな臨床的評価への道が作られた。現在、世界の優れた医療機器メーカーが、RWEデータを収集し中国における販売承認申請を支持する為のデータを提供する為に、ボアオ・レチェン国際医療ツーリズムパイロットゾーンに入ってくるというケースが増えている。

ボアオ・レチェン国際医療ツーリズムパイロットゾーンについて

海南省ボアオ・レチェン国際医療ツーリズムパイロットゾーンは、2013年2月28日に中国国務院より承認され、設立された。当医療パイロットゾーンでは、中国国家政府より付与された「国九条」ポリシーに基づき、医療特許、研究特許、経営特許及び国際医療コミュニケーション特許の「4つの特許」を設定することにより、医療技術、医療機器及び医薬品の三本柱における開発の質を国際的なレベルにシンクロすることを実現した。また、当医療パイロットゾーンは中国本土に開放された唯一の「医療特区」である。
医療パイロットゾーンにおける主な優先政策は、以下である:
1)中国ではまだ承認されていないが外国で既に承認されている製品については、特別な承認管理規制の要件に基づいて、承認申請できる。
2)医薬品や医療機器だけではなく、幹細胞治験等、他の先端医療技術の承認申請についても、この医療特区で今後実施される可能性がある。
3)パイロットゾーンで働くことを予定している外国の医師に求められる実務期間は、試験的に3年にまで緩和されている。

臨床的応用におけるRWEの有用性について

中国での登録における臨床的評価の為のRWEデータ申請は、中国での製品登録に掛かる時間と費用を削減し、製品のライフサイクルの期間を通して、医療機器の臨床的評価をサポートする為に適用される。Center for Medical Device Evaluation(CMDE)によって発行された“リアルワールドデータを用いた医療機器の臨床的評価に関する技術的なガイドライン(ドラフト)”によると、RWEデータは以下の臨床的評価において使用できる。

“リアルワールドデータを用いた医療機器の臨床的評価に関する技術的なガイドライン”
1) 同疾患に使われる医療機器の臨床的評価経路における臨床的エビデンスの提供
2) 既存のエビデンスで補完することによって、製品登録をサポートする為に使われる。
3) 国内に輸入された機器の臨床的使用の収集されたリアルワールドデータは、既存のエビデンスに対する補完データとして、臨床的に緊急に必要とされている機器の登録を……

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