これまで大切に育ててきたシーズが非臨床試験を終え、いよいよFirst In Humanの治験を計画しようとしている。
そんなとき、まず何から始めればよいでしょうか。
PMDA相談(RS戦略相談等)の実施、治験実施計画書や治験製品概要書の作成、製品製造法の確立に向けた書類作成や手続きなど、様々な業務を想像されるかと思いますが、すべて正解です。
どれも治験実施には欠かせないものですが、中でも意外と重要なものが「治験実施に向けた社内体制の構築とSOP作成」です。
「治験の実施自体が初めて」という企業だけでなく、「医薬品や医療機器の治験の経験はあるけれど再生医療等製品の治験は初めて」という企業にとっても、ここがポイントになるのではないでしょうか。
レメディグループでは「治験実施に向けた社内体制の構築とSOP作成」のサポートも行っています。典型的な組織図やSOP案を当てはめるのではなく、各企業様の人員、体制等を丁寧にヒアリングしていきながら、企業様の実情に即した、無理のない社内体制とSOPを確立していきます。
今回のコラムでは、我々が企業様とどのようなディスカッションを進め、どのようにサポートしているのかを、
具体的にお示しします。
―STEP1:治験実施のための社内体制構築
現在の社内体制はどうなっているのか?
どのような人員が在籍していて、どのような役割を担えるのか?
どれだけの役割の人員を配置できるのか?
これらの点について考え、まずは、再生医療等製品の治験を実施するために求められる実施体制を構築しなければなりません。
例えば「臨床開発責任者」「プロジェクトマネージャー」といった役職は、だいたいどの企業でも共通しているかと思います。
同じ役職名の担当者がどの企業でも同じ役割を担っているかというと、必ずしもそうではありません。役職名が同じだとしても、担っている役割は企業によって大きく異なるということがよくあります。
私共もまずは企業様の現状の組織図を見せていただくのですが、そこでは役職名のみで判断するのではなく、現状の組織図をもとに、それぞれの役職名の担当者がどのような役割を担っているのか、どのようなバックグランド(職歴)を持った方なのかを丁寧にヒアリングしていきます。このヒアリングの段階で、企業治験を実施するにあたり必要な役割が十分にそろっているかを確認します。
また、社員数の少ないベンチャー企業では社員数が限られており、必要な役職よりも社員の数が少なかったり、そのためにすべての役職に異なる人員を配置することができなかったりするケースがあります。その場合は無理のない範囲で兼任できる役割についても提案し、各業務を遂行できる体制を協議していきます。
このようにして、治験実施のために必要な役職を網羅できるよう、社内体制の実情をヒアリングしながらすり合わせを行い、
社内体制を構築していきます。
―STEP2:SOP作成
次に、構築した社内体制に沿ってSOPを作成します。
必要なSOPは、教育訓練から始まり、治験実施計画書や治験製品概要書といった文書の作成、被験者の健康被害、治験製品の管理、モニタリング、安全性情報の収集、治験総括報告書の作成など、多岐にわたります。
再生医療等製品の場合は医薬品治験とは異なる点があることにも注意が必要です。例えば、医薬品治験にはない不具合報告手順や、重篤な有害事象が生じる「おそれ」がある場合の報告手順を定める必要があったり、GCPで定められている記録の保存期間も、再生医療等製品特有の制度である条件及び期限付き承認の場合、通常承認とは異なっていたりします。
SOPにどういった内容を記載すればよいのかざっくりとは思い浮かぶけどイチから作るのはちょっと・・・、とか、再生医療特有のルールを漏れなく記載できるか不安・・・といった方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなときは是非レメディにお任せください。
また、安全性情報の収集やモニタリング業務は外部委託することが可能ですので、まずは社内での実施が必須となっている手順に関してのみSOPを作成してほしいという企業様もいらっしゃいます。
そのような場合は、企業様のご希望に合わせて、必要なSOP案を作成します。
作成にあたり、はじめに弊社からドラフトを提出します。レビューの段階で、実際にSOPを遵守しようとしたときにSTEP1で構築した人員配置に無理がないかを確認していただいたり、既存の社内運用(SOP)に沿ってもっと対応しやすい運用をリクエストいただければ可能な範囲内で修正したりしながら、各企業様に合わせたSOPを作成していきます。
このように、レメディグループでは、PMDA相談サポートや治験実施中のモニタリングといった一般的なCRO業務だけでなく、治験実施体制構築のためのコンサルからSOP案の作成といった細かいサポートが可能です。
治験を実施したいけれど社内体制がまだ完成していない、これから体制を構築していくにあたり客観的なアドバイスが欲しい、といったリクエストにもお応えできます。
些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。