<今月のトピック>
インテリムの親会社であるレメディ・アンド・カンパニーが、「第19回日本DIA日本年会2022」に出展いたしました。
レメディグループで独自開発したEDC(MUGEN Platform EDC)やeConsentのお披露目となり、参加者から大変反響をいただきました。
今回は、そんなテクノロジーを駆使して革新を続ける当社のデジタル事業本部に、現在の取り組みと今後の展望についてインタビューしました。
治験とメタバースに関する当社の構想をぜひご覧ください!
<デジタル事業本部の紹介>
デジタル事業本部は、2022年1月に設立された新しい部署です。これまで当社が培ってきたCRO・SMO業務の枠を超えた「ヘルステックカンパニー」を目標に、VR/メタバースの企画・開発といった“攻めのIT“を担当するメンバーで構成されています。
<MUGEN Platformについて>
MUGEN Platformとは、EDCを中心に周辺システム(ePRO,CTMS,eTMF,eConsent等)が“無限”に広がっていくプラットフォームです。長年のCRO経験と、ヘルステックカンパニーを目指す当社ならではの3つの特徴が挙げられます。3つの特徴
① CRO自社開発システム: 自社のCROが開発、CROのノウハウが凝縮された、コンパクトなプラットフォームが誕生しました。
② 短期間システム導入: 最短1カ月で、EDCシステムの導入が可能で、システム構築コストの最適化を実現します。
③ VR/メタバース構想:未来のVR/メタバース治験といったバーチャルプラットフォーム構想で、世界に向けてイノベーションをもたらします。
(デジタルプラットフォームのご紹介 URL:https://youtu.be/xak7c_lXzHM)(別ウインドウで開きます)
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デジタル事業本部とDIA出展について
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まず初めに、デジタル事業本部について教えてください。
デジタル事業本部の強みは、どんなところですか?
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レメディグループの医薬品開発や医療業界等の経験が豊富なこと、そしてそこにIT技術を掛け合わせて、医薬品、医療分野におけるシステム開発やVR/メタバースの企画・開発をスピーディーに推進していくことができるところでしょうか。これにより、医薬、医療業務のDX(デジタル変革)を加速します。
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DIA設置ブースでの参加者の反響はいかがだったでしょうか?
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実際にデモを体験された方は、「バーチャルだけどもリアリティがある」、「未来感があって楽しい・すごい」、「当社の中でもVRゴーグルを体験しているが、レメディのグローブはすごい。将来を感じる」と反響もありましたが、「没入しすぎてVR酔いが心配」という声もありました。
MUGENシステムの展示では、「え?インテリムさんで作ったの?」「CROの枠を超えたビジネス展開ですね」などの反響がありました。
VRゴーグルの展示は、当社のみでした。ハプティクスグローブの展示も当社のみでしたので、周辺ブースの方からも、どんなものを展示しているのか?興味を持っていただけているようでした。DIA初出展でしたが、他のブースよりも、断然に集客できていたように思います。
当日の様子はこんな感じでした。
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皆さん非常に興味を持たれている様子が伝わりますね。
MUGENについて
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次に、出展されたMUGENについてお伺いしていこうと思います。
MUGEN Platformのアピールポイントを教えてください。
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CRO業務で培った経験を生かしたシステムですので、無駄がなくシンプルかつコンパクトです。そのため、EDCのシステムも短時間で立ち上げられます。レメディ独自の高信頼システムとなっており、トラブル発生によるダウンタイムは最小限で、災害の多い日本ならではのディザスタ・リカバリーシステム※も実装。また、eConsentで取得した個人情報は暗号化され、情報漏洩の心配もありません。グローバル展開も可能な多言語にも対応しています。
※ディザスタ・リカバリーシステム
事業継続マネジメントにおける概念の一つで、直訳すると「災害復旧」です。何らかの災害によって壊滅的なダメージを受けたシステムを復旧するための仕組みや、被害を最小限に抑えるための予防措置のことを意味します。
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システムを開発するにあたり、CROのノウハウはどのようにして取り入れたのでしょうか。また、どのような部分に反映されているのでしょうか?
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開発段階から、DM、CRA、CRC、その他関係者を含めて開発チームを編成し、システム構築側の目線と、業務目線からの操作性を考慮しユーザーインターフェースに取り入れました。
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実際のシステム使用経験者の希望がそのまま反映されているのですね。
では具体的に、MUGENの特徴である“コンパクト”“システム導入の短縮化/コストの最適化”について、他社製品と比べてどのような違いがあり、ユーザーに対してどういった利点に繋がるのでしょうか?
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コンパクトという利点は、シンプルなので操作習得やシステム構築の時間を短縮でき、人件費を含めた総コスト削減につながります。最短1か月でEDCシステムの構築を可能で、かつライセンス費用も安価に設定できるのは、CRO自社開発システムならではだと思います。
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「グローバル展開も可能な多言語にも対応している」ということですが、海外展開戦略はどのように考えられているのでしょうか?
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MUGENシステムは、英語/日本語の両方のメニューを用意しています。また、構築画面で入力した質問項目は、その国の言語で表示が可能です。例えば、タイ語でeConsentの質問事項を構築すると、メニューは英語ですが、質問事項等はタイ語で表示されます。
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将来的には国際共同治験での利用や海外試験での利用も視野に入れています。現在はGAMP5(※)や21CFR Part11(※※)へ準拠できるよう整備中です。
※GAMP 5
GAMPは、Good Automated Manufacturing Practiceの略で、Computer System Validationに関し、国際製薬技術協会が製薬業界の専門家の意見に基づいて発行したガイダンス文書(最新:GAMP5: A Risk-Based Approach to Compliant GxP Computerized Systems)です。GAMPガイダンスは、効率的/効果的な方法を用いた既存の業界の優れた実践の積み重ねから、意図された使用に適合し、現行の規制要件を満たすコンピュータ化システムの実現を目的としています。
※※21 CFR Part 11
アメリカ連邦規則第21条第11章の略で、企業が電子署名の使用などの電子的な記録を保持する際に、規定に準拠する一環として、守るべき要件を説明したものです。「Subpart A:総則、Subpart B:電子記録について、Subpart C:電子署名について」で構成され、監査機能及び監査証跡機能の重要性が記されています。
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今後の構想についてもいくつか教えてください。
「様々な治験情報を集約し、各々の機能へと還元する」構想があると聞いていますが、EDCシステム以外への機能拡張や、他のシステムと連携した機能の付与などは検討していますか?
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現在開発中のシステムを含め、EDC、ePRO、eConsent、CTMS、eTMFは、MUGEN Platformとして連携していきたいと思います。オフサイトモニタリングについては、CRAからCRC等の医療機関スタッフに電話やメールで確認してもらう形となっていると思いますが、完全にシステム化することで医療機関側もCRA側も負担が減ると思います。オフサイトモニタリングの完全システム化は、EDC、eTMF、モニタリング報告書の連携で実現するのではと考えてます。なお、現在、様々なウェアラブルデバイスとの連携も開発中です。
また、eConsentを使用した遠隔同意についても計画中です。病院施設から遠方の人や、移動に負担のかかる方、グローバルでの活用などに、遠隔利用シーンがあると思います。
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今後は様々な意見や要望が出てきて、医療現場への応用も期待できそうですね。
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自社開発のため色々な利用者からのフィードバックをすぐにシステム開発に活かしていくことができます。
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MUGENの特徴の一つ「VR/メタバース構想」についてはどうでしょうか?
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構想段階にはなりますが、VRゴーグルで再生してCRO業務全般の訓練を行う計画があり、VRの“没入感“を活かした学習効果の向上が期待できます。また、メタバースでは、性別・年齢・国籍・障がい者など区別なく匿名で同じ空間に存在できることから、患者様のプライバシーに配慮が必要な治験へ活用したいと考えています。更には、感染症対策のためにも、メタバース空間によるカウンセリングや患者様同士のコミュニティへの活用など、まだまだ活用の可能性は十分にあるのではないかと思います。
バーチャル治験は現在法規制等の問題がありますが、将来的にはXRデバイス※を活用したメタバース空間でのバーチャル治験も目指したいです。
※XR(クロスリアリティ)
VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)など、現実と仮想の世界を融合して疑似体験を提供する空間を創り出す画像処理技術の総称です。
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我々オンコロジー領域に携わる者としてお聞きしたいのですが、オンコロジー領域で特に強みとなる点や、今後の構想などはありますか?
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MUGEN Platformのどの製品もシンプルで、領域を問わず使いやすいものとなっています。MUGEN Platformの拡大として、オンコロジー教材のVR版開発も検討しています。
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最後に、今後デジタル事業本部が目指す方向性や将来のビジョンを教えてください。
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デジタル技術を活用して、医薬品開発の効率化と生産性向上、および品質の向上と業務量低減を目指します。また、研修・訓練と親和性が高いVR技術を利用して、VRアプリ開発も始めます。将来的には、メタバース空間上でのバーチャル治験や、アニマルセラピー、リハビリ訓練などを行い、移動距離や時間、性別、国籍などを問わない病院施設外での空間でのデジタルセラピューティクス開発など、CRO業務を核として、No.1ヘルステックカンパニーを目指しています。
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近い将来、治験のみならずヘルスケア業界には多くのデジタル技術が普及、浸透していき、より革新的な技術が発展していきそうですね。
本日はありがとうございました。
次回はRemedy XRメタバースやデジタルについてもお話をきかせてください。……
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