再生医療等製品の治験を安全かつ迅速に遂行するには、専門知識と医療機関におけるオペレーションを熟知する必要がある一方で、治験依頼者や医療機関と共に経験値を積み重ねていく必要があります。
株式会社インテリムがCROとしてウイルスベクター製品の治験を手掛け始めた2014年当時は、治験依頼者もその開発戦略を策定するのに試行錯誤でしたが、現在では医師主導治験や臨床研究などを含め、レメディグループにおける再生医療領域の実施環境は、十分に整ってきたと言えます。
今回は、レメディが、再生医療領域開発の実施環境、そしてCRA人員の研修体制を整えるまでの経緯をご紹介します。
はじまりは、SOPの改訂サポート強化から
再生医療領域における広義の意味での臨床研究は、大きく分けて3つの法令(GCP、再生医療等安全性確保法、臨床研究法、ウイルスベクター製品の場合はカルタヘナ法も)に準じて実施していく必要がありますが、株式会社インテリムが再生医療開発を本格的に稼働させた当初、GCP治験においては、再生医療GCPの基準に適合したSOPを備えている医療機関は非常に少なく、専門医は存在するが、医療機関側においてSOPが対応できていないなどの問題がありました。
そこで株式会社インテリムでは医療機関に対してのSOP改訂のサポート強化から開始。治験実施体制構築のサポートも同様に強化することで、医療機関をはじめとした施設の方々のSOP改訂のご協力をスムーズに取り付けられるようになりました。
また、再生医療等製品の開発経験がない治験依頼者に対しては、医薬品治験での規制とは異なる点や留意点、医療機関側が抱える懸念点などの情報を提供することで、医療機関スタッフの不安解消に努めています。
2017年には、再生医療に特化した部署も設置。その経験値を蓄積していきます。今後、更なる再生医療関連の治験が増加してくるという状況に対応する体制を整える中、「再生医療スペシャリスト認定制度」も生まれました。
> LiGHTHOUSE:ニーズ高まる再生医療研修~研修の開発に至った経緯~(別ウインドウで開きます)
基礎からはじまる「再生医療スペシャリスト」
上記の通り、再生医療領域開発には、通常の医薬品治験での規制とは異なる点や留意点が多々あります。レメディの「再生医療スペシャリスト研修」では、細胞やウイルスベクターと言った再生医療を理解する上で重要な基礎知識や専門用語から学んでいきます。再生医療の法律には、特有の専門用語が多く出てくるので、規制を正しく理解するためには、基礎知識と専門用語を予め理解しておかなければならないからです。
さらに言えば、再生医療を理解する上での基礎知識を理解するために、「基礎生物学」の知識も必須となります。基礎を学ぶための、さらに基礎が必要ということです。
そこでレメディでは、基礎生物学に自信がない、もしくは知識が不十分と判断された人員向けに「基礎生物学研修」も用意しました。厳格な認定制度になるとともに、再生医療に興味を持ち、やる気がある人であれば誰でも再生医療スペシャリスト認定にチャレンジできるような間口の広い体制を整えたのです。
こういった基礎からはじまる徹底した研修が、上記SOP改訂サポートや、治験実施体制構築のサポートにて効果を発揮、さらにいい人財を生み出す経験につながるという循環を生み出すようになりました。
「再生医療スペシャリスト研修」は、基礎編、法律編、品質・安全性編に分かれ、法律編では、再生医療を実施する際に守らなければいけない法律にはどのようなものがあるのか、全体像を把握するところから、品質・安全性編では、first in human試験の前にやっておかなければいけない非臨床試験の内容や検査項目及び製品製造の過程で行われる品質検査の内容や項目について、ガイドラインを基に紐解いていきます。
> LiGHTHOUSE:ニーズ高まる再生医療研修~研修の実施体制と内容~(別ウインドウで開きます)
「再生医療スペシャリスト認定制度」の外部ご提供まで
こうして生まれた「再生医療スペシャリスト認定制度」は、クライアント企業様からのレメディグループのCRAに対する評価を高めることにもつながり、その研修システムに興味を持っていただける先生方や「是非うちでも研修をやってもらえないか」というお声をいただくクライアント企業様も増えてきました。
そこで、もともとはレメディグループ社内向けの研修制度だった「再生医療スペシャリスト認定制度」を社外のお客様向けの研修としてもご提供することになりました。
実際、再生医療はまだまだ新しい領域であり、集積された情報がないことから、多くの企業では社員教育を自社で行うことが難しい状況にあり、レメディの経験や知見は、お客様からの高い評価を得ています。
レメディでは、最先端の医療の提供を受けた患者様からの言葉、表情を責任担当医師から聞く機会があります。治療の選択肢が少なく、根本的な解決にならなかった病気を根底から治療することで、非常に満足のいく結果を得られたとの話も伺うことが多くなりました。
このような言葉を耳にすることは、モニタ―にとっても無上の喜びであり、やりがいに感じるひと時となります。
この記事をお読みいただき、再生医療スペシャリスト研修にご興味をお持ちいただいた方は、<問い合わせフォーム>(別ウインドウで開きます)からお問い合わせください。