昨今、リモートワークを取り入れていた企業もフル出社を促すなど”オフィス回帰”の流れが加速していますが、レメディグループは個々のライフスタイルを尊重した働きやすい職場づくりを目指しています。多様な人材の力を活かし、さまざまな価値・発想・能力を組み合わせることが、ビジネスを成功に導くエネルギーになると考えているからです。
今回の記事では、もともとは東京勤務をしていた方で、ご家族の転勤により四国へ移住することになりフルリモートでグループマネジャーとして働くSさんにインタビューした様子をお届けします。
レメディグループには”グループマネジャーがフルリモートで働く”という前例がありませんでしたが、初の事例として実現に至った背景や経緯、実際に仕事をしてみて感じる課題や心がけている点について、話を聞きました。
目次
10名を超えるメンバーを牽引するグループマネジャーとして、四国でフルリモート勤務
インタビュアー:Sさん、今日はよろしくお願いします。最初に、今の業務内容を教えてください。
Sさん:はい。インテリムの臨床開発部で、臨床試験のプロジェクトマネジャーやラインマネジャーをやりながら、レメディのプロジェクトマネジメント部(以下PM部)を兼務しています。
インタビュアー:臨床開発部のマネジャーの業務だけでも大変だと思いますが、レメディのPM部も兼務されているんですね。
Sさん:そうなんです。インテリムには2015年に入社し、前職はプロジェクトリーダー/CRAでした。インテリムへの入社後も、臨床開発の仕事に携わってきましたが、2023年5月からレメディに新設されたPM部の業務も担当しています。
インタビュアー:PM部とはどのような部署ですか?
Sさん:社長が常々「プロジェクトマネジメントができる人材は強い」と言っていますが、その思いから発足した部門です。今までCRO事業で培ってきたPM業務のノウハウについて、より一層強化し活用していくことに取り組んでいます。レメディーグループのPMレベルの引き上げはもちろんですが、社外の方々との協業にも力を発揮していくことを想定しています。
インタビュアー:その中でSさんが担当されているのはどういった業務でしょうか?
Sさん:現在はPM業務の標準化に注力しています。SOPと呼ばれる治験の標準業務手順書の内容を見直したり、SOPに付随する各種ツールの効率化を図ることで、個々のPMが一定のクオリティを発揮できる一助になることを目指しています。兼務のお声がけをいただき、今までの臨床開発の現場経験を活かせる業務だと感じ、ぜひやってみたいとお返事をしました。
インタビュアー:そのときは、すでに四国に移住されていましたよね?
Sさん:はい。夫の転勤についていくかたちで、約2年半前から四国でフルリモートの形態で働いています。
家族の転勤で退職を考えていた時の、上長からの言葉
インタビュアー:フルリモートになることに、不安はありませんでしたか?
Sさん:めちゃくちゃありました。というか、当初は会社をやめるしかないと考えていました。当時すでにマネジャーでしたし、何かあった時に会社や現場にすぐ行けないのは無理があると感じ、転職先も探し始めていました。そんな時に、上長からフルリモートで働いてみない?と打診をいただいたんです。本当に大丈夫かなと不安はありましたが、ありがたく受けてみることにしました。
インタビュアー:上長としてもSさんならできると思ったから、そういった打診をしたんでしょうね。
Sさん:どうなんでしょうか(笑)ただ、思えば私がマネジャーになったのが育休明けすぐのタイミングだったんです。子育てとの両立もあり、当時もそう頻繁には出社していませんでした。その頃からリモートが多いからこそ「報・連・相」だけはちゃんとしようと意識していて、上長からは「Sさんからはちゃんと情報が伝わってくるのがいい」と言ってもらっていました。
その言葉も思い出して、工夫すればフルリモートでもできないことはないのかもしれないと考えるようになりました。
インタビュアー:実際にフルリモートの働き方になって、どんなことに工夫していますか?
Sさん:私がプロジェクトマネジャーとして治験計画の全体を管理する中で、現場でモニタリング業務を統括・遂行してくれているのがプロジェクトリーダー(以下PL)です。
工夫していることは、PLメンバーとのコミュニケーションを密に取るようにしていることです。問題が起きた時はもちろんですが、疲れていそうなメンバーがいたら、すぐに報告してほしいとお願いしています。あとはメンバーとの1on1を定期的に実施することや、何か伝えたいことがあればteamsなどで気軽に声をかけるようにしています。
インタビュアー:フルリモートだけでなく、育児との両立の大変さもあると思います。何か制度面で活用したものなどはありますか?
Sさん:例えば、突発的な子どもの病気がよくあるので、看護休暇を時間単位で取得できる制度は活用しています。あとは、子どもの学校や習い事のお迎えの際にはフレックスや中抜けの制度も頻繁に活用しています。これらの制度を用意している会社もあるかとは思いますが、レメディの良さはその取りやすさでしょうか。社内にそういった制度はちゃんと活用していこうという雰囲気があり、周囲の方々の理解に本当に助けられています。
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マネジャーとして大事にする、心理的安全性のある環境づくり
インタビュアー:Sさんは元々マネジャー志望でしたか?
Sさん:そんなことありません。若い頃はリーダーなんて絶対に無理だと思っていました。ただ前職時代の上司から「マネジメントは元々の適性というよりはスキルの一つ。習得するに越したことはない」とアドバイスをされたのが転機となり、チャレンジしてみようかなと思うようになりました。
インタビュアー:マネジャーとして、大事にしている考え方があれば教えてください。
Sさん:心理的安全性のある環境をつくりたいとは思っています。部下が言ってきてくれたことをなるべく否定しない。話し合いしやすい雰囲気が出せるように心がけています。
あとは、どんなメンバーも「頑張っている」ということを念頭に接するようにしています。つい、できていないことを責めそうになってしまいますが、本人なりに努力はしていて、やり方やプロセスに改善の余地があるということがほとんどだと思います。部下に対して怒ることはほとんどなくて、そもそも私の指示の仕方はどうだったのかを振り返るようにしています。
インタビュアー:レメディでは上司が部下を‟怒る”というシーンを見かけない気がします。
Sさん:たしかにそうかもしれないですね。以前読んだ本に‟怒るは感情で、叱るは指導”という内容がありました。その使い分けは意識するようにしています。
怒るというのは、自分が勝手に設定しているハードルにメンバーが達していないときに、感情に任せて言ってしまうこと。メンバーそれぞれのハードルの高さは違うはずですから、そこを意識しながら接するようにしています。
制限のある環境でも、キャリアはつくっていける
インタビュアー:Sさんは、今後のキャリアについてどのように考えていますか?
Sさん:現在、臨床開発部とPM部の業務を兼務していますが、どちらもプロジェクトマネジメントに関わる仕事です。ただ、プロジェクトマネジャーとしての経験もまだそう多いわけではないので、そこを極めていきたいという気持ちがあります。
インタビュアー:プロジェクトマネジメントの仕事のやりがいをどんなところに感じていますか?
Sさん:治験を進めてきた薬が承認されたときの達成感はかけがえのないものです。しかもそれをチームとして共有できることがこの仕事の魅力でしょうか。そのために、案件一つひとつをクオリティ高く、かつ効率よく進めていく。それを極めていくことができたら、かっこいいなと思いますね。
インタビュアー:プライベートの環境が変わりながらも、マネジャーの職務を継続されているのは、一つのロールモデルではないかと思います。
Sさん:ありがとうございます。周囲の助けがあってこそではありますが、個人的にはもしマネジャーになれるチャンスがあるなら、ぜひチャレンジしてほしいと思います。特に女性は、結婚や出産などで一度仕事を離れるタイミングも出てくるかもしれませんが、若いうちにマネジメントを経験していれば、復帰後の再出発もしやすいと思いますし、キャリアの選択肢の幅も広がります。
会社がこの働き方を許容してくれていることが本当にありがたいですし、自分がこういった働き方を実践することで、環境に何か制限がある中でも工夫次第でキャリアをつくっていけると感じてもらえたらうれしいです。
インタビュアー:Sさん、ありがとうございました!
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