薬剤師からCRAへ。がん専門の経験を活かした新たな挑戦

レメディ・アンド・カンパニーには、新卒として入社した方だけでな別の企業から中途採用を経て入社した方も多く在籍しています。

今回インタビューをしたTさんは、薬剤師として病院勤務の経験を経て2020年にレメディグループへ未経験でCRAとして入社した方です。

本インタビューでは、

  • Tさんの経歴
  • 仕事内容
  • 仕事で大切にしていること
  • 将来の目標

などについてお聞きしました。

  転職前 転職後
業種 病院 CRO
職種 薬剤師 CRA
業務内容 がん専門病院での薬剤師
  • 医薬品開発におけるモニタリング業務
  • デジタル事業関連の業務

がん専門病院で薬剤師として従事

Tさん:前職は病院でがん専門の薬剤師レジデント(研修生)として働いていました。

レジデント制度とは大学や大学院を卒業後、専門的なスキルアップや特定領域への資質向上を目指すために各病院が独自に設けているカリキュラムです。

私の場合は、レジデント薬剤師としてがん領域に特化した研修を受けつつ、一般的な薬剤師としての業務に従事し3年間経験を積みました。

具体的には、調剤や患者さんへの服薬指導といった病院薬剤師としての基本的な業務に加えて、レジデントとして毎年行う研究発表や教育カリキュラムにも取り組んできました

病院での経験を通じて、薬剤師として技術的にも知識的にも大きく成長が出来た3年間だったと思います。

医薬品開発のキャリアを歩むきっかけと転職のタイミング

Tさん:学生時代に祖母ががんに罹患した経験から、誰かの健康や病気の治療に貢献できる仕事がしたいという思いがあり、レジデント薬剤師になる前から「将来的には医薬品開発の分野に携わりたい」と考えていました。

医薬品の開発に携わることは、目の前にいる患者さん1人だけではなくもっと多くの人たちの助けになると考えていたためです。

ですが、大学で難聴について研究をしていたときに、研究側の立場……つまり論文や資料などの文字情報だけでは分からないこと、臨床現場に立って患者さんと話してみないと分からないことがいかに多いかを実感しました。

そのときに「このまま大学を卒業してすぐに医薬品開発の分野に進んでも上手く行かない」と思ったので、まずは臨床現場を自分の目で見たいと考えて病院勤務を希望しました。

その後希望が叶ってがん専門病院に就職し、薬剤師レジデントとして仕事に取り組んでいく中で”そのまま病院勤務を続けること”も選択肢の一つに挙がりました。

ですが薬剤師として医療現場で働いている間に、より良い医薬品を求める患者さんの声を聞くことは多く、その度に医薬品開発への思いが強くなっていきました。

レジデント修了のタイミングで医薬品開発に本格的にチャレンジしようと思い、転職を決意しました。

入社理由は新しいことに挑戦するレメディの社風への共感

インタビュアー:転職にあたって、製薬企業ではなくCROを選んだ理由はありますか?

Tさん:CROに就職しようと思った理由は、いろいろな治験をフラットな目線で見られると思ったためです。

製薬企業のCRAが担当する治験は所属企業が開発する製品に限るため、どうしても企業が得意な分野へ偏りが生まれてしまいます。

しかし、CROはいろいろな視点から治験に携わることができます。

そのため、CROに就職したいという想いは以前からありました。

企業を調べていく中でレメディに出会い、前職でお世話になった先生が特別顧問をされていることを知り徐々に興味が湧いてきました。

さらに、レメディにはオンコロジー・スペシャリスト&エキスパート研修など、独自の社内研修・資格制度があり自発的な勉強を推奨する環境がある上、自分の経験も活かせるだろうと感じていたことも大きいです。

インタビュアー:なるほど。ちなみにインテリム(CRO事業を行うレメディグループ企業)への入社に至った決め手などはありますか?

Tさん:レメディグループのインテリムを選んだ最終的な決め手は、ベンチャー企業としての気質を強く感じたことです。

レメディグループの社長は他のCRO企業とは違った視点を持っている方で、会社自体も常に新しいことに挑戦する社風だと感じました。

私は自分の視野を広げ、より多角的な経験を積みたいと考えていたので、レメディに転職しようと決意しました。

インタビュアー:確かにレメディは他CRO企業とは異なる部分が多いですよね。新しいことに挑戦していく姿勢があるな、と社員ながらに感じます。

Tさん:そうですね。私はインテリムでCRAとして働いていますが、最近ではデジタル事業にも携わることになったので身を持ってそれを実感しています。

※デジタル事業については後述。

CRAとして治験のモニタリング業務に従事

Tさん:主な業務はCRAとしての治験のモニタリングです。

モニターの仕事柄、決まった1日のスケジュールのようなものはあまりなく、担当プロジェクトの状況によって日々の業務が変わります。

現在は2つのプロジェクトを担当しており、どちらもクローズに向かっている治験です。

その内の1つは、社内でも何人もの方から引き継がれてきたもので、数年越しの非常に長い治験でした。

インタビュアー:とても長い時間をかけたプロジェクトだったのですね。

Tさん:はい。私が所属しているオンコロジー領域の治験は、1つの試験の範囲が広く担当する業務が多いので、社内の別部署のCRAと比べると1人あたりが担当するプロジェクト数が少ないですね。

インタビュアー:モニターには決まったスケジュールがあまりないとのことですが、参考としてよくあるスケジュールの例などを教えていただけませんか?

Tさん:プロジェクトのフェーズによる差がないもので言うと、朝は治験関係者からの依頼事項や治験についての質問や連絡をいただくので、業務開始後にこれらに対応することが多いです。

その場で回答ができないものに関しては関係各所へ回答内容を確認した後、メールや電話などで連絡を入れます。業務上、正確な回答に悩む場合はしっかりと確認をした上で回答するように心がけていますね。

複数試験を担当している間は、朝から頻繁に連絡や状況確認が発生する試験をメインに業務を行いながら、別の試験の手続きを進めている状態でした。

業務を進めていく中で急ぎ対応が必要な依頼があった場合には、その都度対応をしていくようなイメージです。

また、海外のクライアントとの会議がある際には時差の関係で、依頼先の現地時間に合わせ20〜21時くらいに対応するケースもあります。

勤務時間が遅くなった場合は、フレックスを活用して翌日の業務開始を少し遅くするなど調整しています。

医師から土日に連絡が入るときもあるので、内容を見て緊急の連絡であればその日のうちに対応することも多いです。

本当に忙しい日には朝に通常業務を開始し、夜に依頼者会議があるような場合は退社時間がかなり遅くなることもありますが、有給休暇やフレックスを取りやすい会社なので、業務とプライベートの両方を充実して働くことができる環境です。

またモニター業務から派生した仕事として、メールマガジンコンテンツ制作も行っています

「Oncology times intellim」というコンテンツを毎月クライアント向けに配信しています。

前職の病院勤務の経験や先生方とのご縁など、自身のバックグラウンドを活かすことができていると思うので、とてもやりがいのある業務です。

コンテンツ制作を通して先生とも話題や意識共有ができるため、コミュニケーションが取りやすくなっていますね。

レメディグループのなんでもチャレンジできる環境を整えてくれる文化は、私のやりがいにもつながっています。

役員合宿での提案がきっかけでデジタル事業にも参画

Tさん:レメディグループでは、社長や役員と共にディスカッションを行う「役員合宿」が年に数回開催されています。

参加メンバーはその合宿のテーマに合わせて社員の中から選ばれ、主に経営・事業の方針などについて部署や役職を超えて意見を交わすことのできる場となっており、レメディグループならではの取り組みの1つです。

私は初回の合宿に参加した際に、デジタル技術を活用して治験の効率を高めるという提案をしました。

実際に私が携わっている臨床現場からの意見を吸い上げて、自分のアイデアとして形にしたものです。

会社側が見据えていた事業とマッチしていたため、結果的に提案が採用され、私自身もプロジェクトチームのメンバーとして活動する機会を頂くことになりました。

インタビュアー:ご自身の提案が採用されるというのはとても嬉しいですよね。それに提案後すぐに携わることになった、というところにレメディグループが持つスピード感を感じます。

Tさん:本当に早かったです、合宿後すぐに動き出していました。

私自身デジタル分野について詳しいわけではなかったので、今も勉強をしながら業務に向き合っています。

入社してわかった新しいアイデアへの対応スピードへの意識

Tさん:入社前はレメディが新しいことにどんどん挑戦する企業であることは知っていましたが、他のCROなどと比較しても革新性と自由度は想像以上でした

特に、社員が発案する新しいアイデアやプロジェクトに対して、少しでも可能性があるものであれば些細なものでも目に止めてもらえ、実現に向けたディスカッションへと移行していくスピードには驚きました。

このような、提案をすぐに事業に落とし込むスピード感や社員も参加する役員合宿が開催されることは、レメディの文化を象徴しているものだと思います。

良い意味でギャップになりました。

インタビュアー:確かにそうですね。レメディグループでは例えば、CRAとしてキャリアアップしたいという従業員がいれば、環境を用意してくれます。

一方、CRA以外のスキル・経験を伸ばしたいという社員に対しては、日々の業務姿勢や自発的な行動力などを見てチャレンジさせてくれる環境を作ってくれますよね。

Tさんの入社から現在までの過程を見ていると、レメディグループは個々を大切にしてくれている会社だと感じます

人々の命を救う手助けになる治験。「やっていて良かった」とやりがいを痛感

Tさん:私が仕事でもっともやりがいを感じるのは、自分が担当している業務が病気になってしまった方の選択肢の1つになる、ということです。

CRAの業務は、直接患者さんと接することはありませんが、私たちの仕事が間接的にでも多くの人の健康と幸福に役立っていると感じる瞬間は非常に特別なものです。

ただ単に成功したプロジェクトというだけでなく、実際に人の命を救い、苦しむ人々の生活を改善する手助けになれたことに「やっていて良かった」とやりがいを感じますね

日々の業務でも、患者さんにつながっていることを考えながら仕事をしています。

インタビュアー:やりがいを感じた瞬間について、特に印象的だったエピソードなどはありますか?

Tさん:やりがいを感じる瞬間は数多くありますが、中でも思い出深いのはあるクライアントから感謝の言葉を頂いたタイミングです。

以前私が所属していたプロジェクトで、予定よりも早くマイルストーンを達成でき、その結果クライアントから深い感謝の言葉をいただいたことがありました。

マイルストーンを予定よりも早く達成することそのものはクライアントのメリットでもありますが、その後の承認・販売などにも影響を与えるので、結果として“より早く患者さんの元へ薬が届くこと”、“患者さんの治療の選択肢を増やすこと”に繋がります。

クライアントからの言葉は、チームメンバー全員が一丸となって取り組んだ結果を認めて頂けたと同時に、モニターの役割ややりがいを改めて実感できた出来事でした。

全方向への積極的なコミュニケーションが大切

Tさん:治験はすべての要件が定義されて依頼されるわけではありません。

自分たちで要件を定義して依頼者へ提案をするという業務も多々発生します。

要件が未確定の場合は、依頼者や施設、他モニターさんと協議・連絡を重ね積極的にコミュニケーションを取るように工夫しています。

また前職の経験からCRCや医師、病院薬剤部の状況などは理解しているので、思いやりとリスペクトを持って対応し、良好な関係性を築くことを心がけています

社内コミュニケーションについても同様で、「手続きが終了しました」「依頼者からこういったフィードバックをいただきました」など細かい部分までチームメンバーへ共有することで、不要なやり取りが発生しないよう効率面での意識もしていました。

自分が担当する施設だけが上手くいけば良いというわけではなく、チームメンバー全員で協力し合って取り組むことが大切だと思います。

インタビュアー:普段一緒に仕事をすることが少ない私たちでさえも、Tさんがコミュニケーションをとても大切にしていらっしゃるということが分かります。きっとそのような姿勢が昨年のレメディコアバリューアワード(CVA)の受賞につながっているのですね!

Tさん:こういった小さな努力が、2022年のCVAの受賞につながったのかもしれません。

ただ、CVAを受賞できたのは私だけの力ではありません。

あくまでも周りの方々の協力があって良い関係性を築けたからこそ、審査する方の目に留まったものだと思います。

2022年のCVAに関する記事はこちら

新しい知識や技術を学ぶことを怠らず、さらなる専門性を高めていきたい

インタビュアー:最後に、Tさんの今後の目標などを教えてください!

Tさん:CRAとしての今後の目標は、仕事を通じてより多くの患者さんの治療に貢献することです。これまでの経験から、医薬品開発の重要性とそれが患者さんの生活に与える影響の大きさを深く理解できました。

今後はCRAとしての役割を果たすことで新たな治療法の確立や改善に貢献し、結果として多くの人々の健康に貢献していきたいと思います。

また私自身のもう1つの目標は、現場の良好な雰囲気づくりです。思いやりを持って仕事に取り組み、チーム全員が楽しく効率的に仕事を進められる環境を作ることは私の目標です。

仲間との協力やチームワークを通じて、より良い成果を出すような職場環境づくりを目指していきたいと思います。

そのためにも日々の業務に真摯に取り組みながら、新しい知識や技術を学ぶことを怠らず、さらなる医薬品への専門性を高めていきたいです。

医薬品開発の分野でさらなるキャリアアップを目指し、私の専門知識が患者さんの治療のために最大限に活用されることを目標に頑張っていきたいと思います。

インタビュアー:Tさん、ありがとうございました!