再生医療の現状について

今回はインテリムの主軸の一つである再生医療の特集をします!

インテリムの再生医療ビジネスや社内研修がどういったものなのかを複数回に渡ってご紹介しますので、是非お楽しみください!

第一回目は再生医療の現状について、インテリムの再生医療企画・開発室のS.Yさんに話して頂きました。

(※本インタビューは新型コロナウイルス感染予防の対策中に実施したものですのでマスクの着用をしています)

インタビュアー:S.Yさんの自己紹介をお願いいたします。

S.Yさん:学部生から大学院生の6年間とポスドク研究員の5年間は、発生学(一つの卵から、どうやって複雑な体が出来てくるのか)の研究をしていました。学部生の時はウニを使って実験をしていたので、夏はムラサキウニ、冬はバフンウニを取りに真鶴まで出かけていました。また、月に一度は、海水を汲みに九十九里浜まで出かけていました。ウニ採りや海水汲みは教授のワゴンカーで出かけ、途中でご飯を奢って貰えるのですが、教授がせっかちでご飯を食べるのが早い人だったので、鍛えられた結果、今でもご飯を食べるのが早いです。

インタビュアー:近年の再生医療の進化について、教えてください。

S.Yさん:私が想像していたのより、すごく早く進化して(ヒトに使用されて)います。

ポスドク時代は神戸の理研で、高橋政代先生の隣の研究室で働いていました。私が理研に居た時は、高橋先生がマウスを使って網膜再生のデータを出されていた時で、動物試験のデータがプレスリリースされるたびに、高橋先生の研究室に患者さんから電話がかかってきて、秘書さんが、「ヒトに応用されるまでには、まだまだ時間がかかるので、今できる治療を行ってください」と対応していたのを覚えています。

それが2008年頃で、私も「ヒトに応用されるまでには十数年はかかるだろうな」となんとなく考えていたのですが、2014年には一例目の移植が行われていますので、予想をはるかに超えるスピードで進んでいる印象です。

インタビュアー:再生医療では、現在どのような分野が注目されているのでしょうか?

S.Yさん:がん領域と遺伝子疾患領域だと思います。がん領域はCAR-Tや腫瘍溶解性ウイルス等、色々な治療法が開発されています。特にCAR-Tは、これまで治療法がなかった小児の白血病などで効果がみられています。また、生まれつき遺伝子が異常で発症する遺伝子疾患領域も開発が盛んです。遺伝子異常が原因ですので、正常な遺伝子を細胞に戻してあげて、根本的に治療しようという方法です。脊髄性筋萎縮症という、遺伝子異常が原因で筋力が落ち、最終的に呼吸が出来なくなって亡くなる重篤な病気に対して行われた遺伝子治療では、歩けるようになるまで回復する子供も出てきています。

質問4:今後の再生医療の未来について、S.Yさんはどのように見ていらっしゃいますか?

再生医療の特徴の一つは、これまで治療法がなかった疾患を根治できる可能性を秘めている点だと思いますので、そういった疾患に対する開発が進むと思いますし、進んで欲しいと思っています。