フットゴルフとは?
インタビュアー(以下、イ):本日はサッカー、フットゴルフ、ゴルフを日ごろプレーしている三人にお集まりいただき、フットゴルフについて自由に話していきたいと思います。
早速ですが八谷さん、パリ五輪での正式種目化は進んでいるんですか?
八谷:まだ情報は降りてきていないんですが、申請は出したと聞いています。
イ:フランスはフットゴルフが強いのですか?
八谷:南米やヨーロッパ、サッカーが強い国は比例してフットゴルフも強いです。
フットゴルフは、直径53cm(サッカーボール2個分)のカップを使ってプレーするゴルフのイメージです。ゴルフのコースを使うけど距離は約半分。パー72はゴルフと同じです。専用のコースが必要で、国内では10カ所ぐらいでプレーできる場所があります。
イ:八谷さんはサッカーからフットゴルフに入ったんですよね。サッカーとルールは結構違いました?
Y・S:いや、どっちかというとゴルフと比較するべきでは(笑)。
八谷:そうですね(笑)。ゴルフとは池に入った場合なども含めほとんど同じです。ゴルフのクラブを足に変えたものと考えて頂ければ。ゴルフとちょっと違うところは、日本だとゴルフのグリーンは使わない点です。ラフやフェアウェイ上に穴を掘ります。あとゴルフだとバンカーショットはクラブを砂に付けてはいけないんですよね?
Tさん:そうですね。
八谷:フットゴルフだと軸足を置いたままボールを蹴らないといけません。助走つけちゃダメなんです。バンカーに入った場合は飛距離が出しにくいですし狙いづらいです。
Y・S:パリ五輪で正式種目になったら、その時八谷さんは37歳?
イ:年齢的に全然イケそうですね。あまり体力使わなそうですし。
八谷:心肺機能は全然使わないんですけど、足がすごい疲れます。
Y・S:サッカーは試合中ずっと蹴ってるわけじゃなくて、フリーの時間も多いじゃないですか。
八谷:フットゴルフだとパーでも72、72回は蹴らないといけないんで。サッカーだと72回も蹴ることはまずないですね。思いっきり蹴るのはその1/3の20回ぐらいなんですけど、それでも結構疲れますね。
イ:それだとサッカーでドリブラーよりもキーパーとかの方が有利ってことですかね。
八谷:キーパーやセットプレーで蹴ってた人は、コントロールがいいですよね。僕はどちらかというと合わせるタイプだったので、昔からキックが得意だったわけじゃないです。
イ:スコアは高い人だとどれぐらいでしょうか。
Y・S:こないだ二人で行った時は僕が+16で八谷さんが+2でしたよね。
イ:ゴルフだとそんなもんじゃないですよね。
K・T:ないですね。
Y・S:サッカーやってる人は入りやすいスポーツだと思いました。
八谷:ゴルフの技術より、サッカーの技術が9割ぐらいです。ただ、コースマネジメントはゴルフやってる人はほんと上手いですね。
K・T:確かにコースマネジメントはゴルフで結構大事で、飛ばせばいいってものではないし、二打目三打目を打ちやすいところに落とすとか、風や傾斜を考えてクラブを選択するので。その部分に関しては、フットゴルフに繋がっていくのかなと思いました。
イ:クラブを変えるように、フットゴルフでも靴を変えたりとかありますか?
八谷:靴を変える人はあまりいなくて、どちらかというとボール。縫い目が見えるボールあるじゃないですか。あれだと雨の日に水を吸い込んで重くなったりするんです。プロが使ってるボールはその部分を熱結合しているので、水分入りにくいんですよ。そういう意味で終始同じ感覚でプレーできるボールを今使っています。打感とか距離も伸びます。
Y・S:公式球が何種類かあって、その中から選ぶんですよね。
八谷:そうですね。
イ:一試合で何個も使っていいんですか?
八谷:ホールごとに変えていいので、極端な話最大18個まで使えますね。大体は2つか多くて3つかな、長距離用と短距離用とか。僕は一個のボールで18ホール回るんですけど、空気圧を変えます。硬いとボールがよく転がるので、距離や傾斜によって調整しています。それもホールごとに変えられます。
イ:ウェアはどんな感じなんですかね?
八谷:シューズはサッカーのトレーニングシューズで、格好はゴルフ寄りが理想なんですけど、結構サッカー寄りになっちゃっていますね。ハンチングって書いてますけど(裏面ルール参照)、被ってない人もいるし、普通のキャップの人もいるし、あくまで一例ということで。
ワールドカップについて
イ:団体戦もあるんですよね。
八谷:大きい大会だとありますが、基本的に個人戦が主体です。
イ:個人戦の途中までの結果で団体戦に出れるかが決まるんですよね。
八谷:そうなんです。2年前のアルゼンチンワールドカップでは団体戦に出れなかったので、今回は出たいですね。
イ:今回も団体戦に出れなかったら朝礼で謝罪ですね。
八谷:はははっ!
イ:日本代表は何人いるんですか?
八谷:女子が2人、シニアが2人、一般が14人です。女子では丸山桂里奈選手が代表として出場します。サッカーで日本代表になったことある選手は特別枠があって招待されるんです。アルゼンチンだとワールドカップ代表経験者なども出場しています。
イ:競技人口の増え方はどうでしょうか。
八谷:間違いなく増えています。ジャパンオープンの参加者で言えば、これまでは多くても20人とか30人でしたが、今では50人や60人はいますね。
イ:テレビ中継はあったりしますか?
八谷:そこまではなかなか難しいですね。大きな国際大会であってもBSとかローカルテレビとかぐらいですかね。
イ:ワールドカップは基本2年に1回?
八谷:ワールドカップと言えば4年に1回のイメージがあるかと思いますが、今は普及の意味も含めて2年に1回にしているみたいです。
Y・S:通常の国際大会は代表に選ばれなくても選手登録さえすれば参加できるんですよね?
八谷:いや、しなくても出れます。ただライセンス登録しないとポイントが入りません。年間ポイントでランキングが決まります。
Y・S:僕も大会出まくってポイント稼ぎたいですね。ワールドカップには出ないけど八谷さんよりランキングが上とか。
八谷:そうですね(笑)。ちなみに今回ワールドカップの選出基準は、国内8つの大会のうち上位4大会のポイントが高い人なんで、ポイントが高くても出れるとは限らないですね。
Y・S:数出ればいい訳じゃないんですね。そんなに甘くなかった!やっぱ八谷さんすごいですね。
八谷:始めた当初はスコアも酷かったんですが、それでも三年半で日本代表になれたんで、短い期間でも日の丸背負えるのがすごいところです。初めて日の丸背負ったのは2016年なんで初めて1年半ですよ。
一同:ええ~
八谷:マイナーなスポーツですけど、認知されていけば多分元プロのサッカー選手などが参入してきて、代表にはそう簡単になれないですけど、それが理想ですよね。誰もが知ってるスポーツにすることが今の目標です。
Y・S:日の丸を背負うにあたって意気込みはありますか?
八谷:普及も大事だと思っていて、結局日本が勝たないと普及に繋がらないんですよね。そういったところの責任感は強く感じています。会社から応援されていても、勝てないとインテリムの宣伝にもならないし、単なるいい経験で終わるのではなく、責任感を持ってやってます。
イ:日の丸を背負う八谷さんの熱いお話を聞けて良かったです。ぜひみんなで一度フットゴルフやってみたいですね。ありがとうございました!