インテリムのモニターに聞いてみた―BE試験担当者が気づいた、さまざまな視点に立って考えること vol.1―

今回は、当社のオンコロジーモニター、Y.Sさんにインタビューを行いました。

Y.Sさんが経験したBE試験にフォーカスをし、試験実施の難しさや苦労した点、それらをどのように乗り越えたのか、どのような工夫を行ったのか?

また、この試験を経験してどのようなことを学んだのか?について、聞いてみました。

その模様を全2回に分けてお届けをいたします。

是非ご覧ください!

簡単に自己紹介をお願いいたします。(ご経歴と今までご経験された試験等)

2019年に中途採用CRAとしてインテリムに入社しました。

本試験には、入社直後から配属されています。現在は大手外資系企業の治験業務にCRAとして従事しています。

試験の概要と、試験を実施してみた難しさは何でしたか?

試験の概要は、とある先発品との生物学的同等性を確認するBE試験です。

被験者から採血して血中薬物濃度を測定することで、先発品と治験薬の薬物動態特性を比較するものでした。

今回の試験を同等性試験として実施した難しさとしては、治験薬の特性上、被験者から採取した血液検体中の化合物が不安定で、製剤の構造を破壊することなく血中濃度を測定する点にありました。

後述しますが、被験者さんから採取した血液を院内で検体処理する必要があり、この処理を行うためにはとレーニングされた専門スタッフが必要でした。

この専門スタッフは、施設外部の外国人スタッフで人数にも限りがあったため、同時にエントリーできる症例数に制限があったことや、施設の外部スタッフ受け入れ可能日と被験者来院スケジュールを調整することも、難しさの一つでした。

今回の試験を実施するにあたり、苦労された点・困難だった点はどのようなことでしたか?

医療機関の受け入れの面でした。

後発品開発ということに対して、前向きに試験受け入れを表明される医師の先生が少なかったことです。「あなたは、この後発品を自身あるいは家族に勧めることができますか?」と、施設選定で面会したある医師から質問されました。

 

試験の意義を問われるような、ドキッとする質問ですね。医師の先生は、どのような意図で質問されて、どう回答したのでしょうか?

患者さんのことを思われて、の質問でした。先発品と有効性や副作用を比べられて、患者さんやご家族がこの後発品を使うメリットはあるのか? ということで、医師から投与される患者さんの立場からの、思わぬ的確な質問でした。

薬価が廉価であるという経済的なポイントなどから、状況次第では自身や家族にも勧めると回答しました。

「投与される患者さんの立場からの質問」とのことですが、投与される患者さんの立場に立ち、モニターとして気を付けていることがあれば教えてください。

CRAは試験にご参加下さった患者さんに直接関与できることはないのですが、カルテを閲覧する際は、些細なことでも報告すべき健康被害はないかを注意深く確認するようにしています。

Vol.2に続く…